第1章 出会い ★
チョッパーが、みんなに報告すると言って出て行った。
親切な人達のお陰で命拾いしたわ…
だけどこれから…どうしよう…
そんなことを考えていると、
コンコン
ノックの音がしたので、チョッパーかな?と思い、返事をする。
「はい」
カチャ
静かに扉が開いた。
そこに立っていたのは、金髪で背の高い、変わった形の眉をした男性。
手にしているのは料理ののったトレー。
男性は一歩も動かず、無表情でこちらを見ていた。
なんか怖いな…そう思ったが、助けてくれた船のクルーの人にはお礼を言わなければと思い、こちらから声をかけてみた。
「あの…ありがとう」
「あぁ…」
男性は無表情のまま、しばらく間をおいてそう答えた。
ゆっくりと近づいてきた男性は、よく見るととても綺麗な顔をしている。
おいしそうな食事の匂いに混ざって、ほんの少しだけ、タバコの匂いがした。
「俺はサンジ。君は?」
無表情で男性が言う。
「私はレナ。助けてくれてありがとう」
「助けたのは船長さ。礼なら船長に言ってくれ」
相変わらずの無表情で、無愛想な男性はそう言って部屋を出て行った。
男性が置いて行ったトレーには、暖かそうなお粥と野菜がたっぷり入ったスープが。
食べていいってことだよね?
そう思って私はスープを口にした。
おいしい…それに、何だか元気が湧いてくるみたい。
あの怖そうな人…サンジって言ったかな。あの人が作ったのかな。
いや、運んでくれただけかも。
私もこんなお料理、作ってみたいな。
そんなことを考えていたら、あっという間に食べ終えてしまった。
お腹がいっぱいになったからか、急激に眠気に襲われ、ベッドに横になると同時に眠りについた。