第11章 恋
ゾロは一瞬、何が起きているのかわからなかった。
気づけば背中にレナの体温を感じていた。
好きという言葉を理解するのにも時間がかかった。
それがまさに自分が欲しかった言葉だと分かると、嬉しさが込み上げて来た。
自分の前に回された腕をゆっくりと解き、ゾロは身体を反転させて正面からレナを抱きしめた。
「レナ………」
気の利いた言葉は言えなかった。
込み上げる気持ちを自分の腕に込め、レナの身体をぎゅっと抱きしめた。
そして…
どちらからともなく、キスをした。
ゾロは少しの罪悪感を振り払いながら、 レナの気持ちを受け止めた。
一度唇を離し、その直後の二度目のキスは激しいものだった。
(レナ…これ以上のことはしねェから…これくらいは許してくれ…)
もちろん一人の男としてレナを抱きたい気持ちはある。
しかしレナの身に起きたことを考えると、いくらレナに記憶がないとはいえキス以上のことをするつもりはゾロにはなかった。
一方レナは、初めての激しいキスに頭がくらくらしていた。