第11章 恋
上陸後、レナはナミとロビンと共に食べられそうな野草や木の実を集め、 男性陣は狩りをした。
レナたちが船に戻る頃には、動物の肉はサンジによって綺麗に捌かれていた。
「こんなにたくさん!皆どんな動物を捕まえたんだろう。ゾロが狩ってきたのも見たかったな…」
「レナ…意味わかんない生き物もいると思うから、見なくて良かったと思うわ」
残念そうに呟くレナに、ナミが言った。
「う…何も聞かなかったことにしておく」
レナは積み上げられた肉の山を見て、苦笑いした。
ログが溜まったのは翌日の昼だった。
食料も調達できたので、すぐに出港した。
ゾロはいつものように、甲板でトレーニングを始めた。
レナが持とうと思ってもピクリとも動かせないようなダンベルを、片手で持ち上げている。
ゾロの顎からは汗がポタリと滴り落ち、腕は汗で光っている。
(はぁ…改めて見るとやっぱりすごい筋肉だなぁ…)
レナは少し離れたところから、ゾロを見ていた。
(ゾロってほんとに優しいよね…)
レナは最近のことを振り返っていた。
ゾロの本音を聞いてから、レナの心にも以前とは違う感情が芽生えていた。
以前はゾロの気持ちがわからず、どのように接すればいいのか分からなかった。
しかしゾロの気持ちを聞いてからは、レナも好きになれるよう努力しようと思ったし、何よりゾロの愛情がいつも感じられるのが心地よかった。
(まさかゾロがあんなに優しいとは…)
洗濯や掃除の手伝いをしてくれることもそうだが、常にレナのことを考えてくれているのがよく分かった。
(あの腕が…何か…色っぽい…って何考えてるんだろう私)
思いもよらない自分の感情を慌ててかき消したが、ゾロから目を離すことができなかった。
(私たぶん…ものすごくゾロのこと好きだったんだろうなぁ…)