第1章 出会い ★
「そういえば、レナはなんで海に流されてたんだ?」
ルフィが尋ねたのは、朝食を食べ終わり、それぞれがコーヒーや紅茶を飲んでいるときだった。
(きたわね、その質問…)
レナは用意していた話をした。
「私は、グランドラインにある島の、小さな港町で生まれたの。両親は小さなレストランをやっていたわ」
レナは話し始めた。
平和な町に海賊がやってきたのはレナが18歳のとき。
物資の調達にやってきたようで、危害を加えるつもりはなさそうだった。
その海賊船の船長らしき男が数名を引き連れて、レナの両親が経営するレストランにやってきた。
そこで料理を食べた船長は、その料理をとても気に入って手伝いをしていたレナを連れ去った。
もちろん抵抗はしたが、従わないと両親を殺すと言われ泣く泣く船に乗った。
逃げ出したら両親を殺しに行くと言われ、言われた通り料理や雑用の仕事をしていた。
船に乗って1年が経った頃、レナが連れ去られたその日に町ごと襲撃され、両親も町の人達もみんな死んだことを知る。この海賊達はレナを船に乗せたあと、金目のものを全て奪い町を滅ぼしたのだった。
逃げる決心をしたがなかなかチャンスがなく、さらに1年経ってやっとチャンスが巡ってきて海に飛び込んだ。
ーーーそして今に至る。
「ということなんだけど…」
「大変な目に合ったのね」
ナミが心配そうにこちらを見つめている。
「両親のことはもう整理がついたから大丈夫。あの海賊を恨む気持ちはあるけどね」
「その海賊は、何という名前なの?」
そう聞いたのはロビン。
「…ラグラン海賊団。船長はフリークという男よ」
「ラグラン海賊団…確か、相手を油断させておいて全てを奪うと聞いたことがあるわ」