第2章 ● おしごとしましょ
「や、その、迷子なんだわ、俺」
直後。
私がプッと吹きだしてしまったのはもはや言う必要のない事実だし、黒尾鉄朗くん17歳の迷子放送はのちに伝説として語り継がれることになるのである。
ちなみに、彼を迎えにきた孤爪くんをはじめとする音駒レギュラー陣は、目にも止まらぬ速さで迷子放送動画を拡散させていた。
そのRTいいね総数、1000強。
梟谷グループのほぼ全校に広まった計算である。黒尾くんたら一躍有名人だ。
【@sanmaaa17さんが@呟きしました】
【@hkrd_mnmn 覚 え と け よ 玉北】
これ、黒尾くんからの殺人予告。
私なにもしてないのに。
いや、ちょっと意地悪したけども。一緒に「研磨たち探すの手伝ってほしんだけど」って言われただけなのに迷子センターに情報横流ししたけれども。
そんなこんなで、なんやかや騒がしくなりつつも、私のおしごと日和は過ぎていくのでした。
おしごとしましょ ● 了