第15章 勝者と、敗者と(オムニバス)
◆◇高尾視点
ったく、真ちゃんのヤツどこに行ったんだよ。
早く見つけねぇと大坪さんたちに遅れちまうってのに。
……ま。今回は仕方ねぇよな。
俺だって未だに信じたくねーぜ。
けど、俺たちは確かに誠凜に負けた。それは今さらどうこうできるものじゃねーしな。
けれどもアイツにとって”キセキの世代”としての自負もどこかにあったとは思う。
一度も負けを経験したことがないって言ってたもんな。
俺からすれば、ざけんなよって吐き捨てたくなるわ。
だが、今はウチのエース様だ。
アイツを信じなくて誰を信じるっていうんだよ。
今日のところは慰めてやるとすっか。