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君が笑う、その時まで

第14章 夏のハジマリ


 会場に続々と入っていく人だかり――

 今日はここでインターハイ・東京地区予選トーナメント、Aブロック大会の準決勝・決勝戦が行われる。
 本選トーナメントに進むチームが決定し、インターハイ全国大会出場へ近づくひとつの節目でもある。

 特段交通に遅れることもなく、試合会場へはかなりの余裕を持って到着できた私は開場したばかりの客席に向かい、コートがよく見える2階席の最前列に座った。

 周りを見渡せば各校が横断幕を張り、圧倒的な数の応援団を擁して存在感を示していた。
 その中でもとりわけ目立つのは、オレンジ色のジャージを纏った集団。

 ――「東の王者」と称される秀徳高校。

 古くから名を馳せている強豪校であり、試合運びも安定感のある事で定評を得ている。
 去年まではセンターの大坪さんを中心にインサイドで攻めてきたチームだが、今年は”キセキの世代”緑間真太郎が入ったことでアウトサイド共々攻めるバスケを展開している。

 そして「王者」といえばもう一つ。

 ――「北の王者」正邦高校。

 古武術の動きを取り入れた独特のフットワークで守備に定評のあるチーム。こちらも厄介といえば厄介だ。

 それでも勝負の行方は最後まで分からないだろう。
 たとえ彼らの試合結果や選手の特性から今日の試合を予測したとしても不測の事態はつきものだ。

 彼らは一体どこまで行けるのだろう――
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