第9章 練習試合
「”キセキの世代”か……」
”キセキの世代”――
圧倒的な力を見せつけ全中三連覇を果たした帝光中学校バスケットボール部に所属した、最強という地位に今も君臨する絶対的な存在。
その名は憧憬と畏怖の対象として、人々の記憶に強く焼きついた。
どうあがいても届かない勝利。
圧倒的な力の差はスコアにあらわれ、更に絶望感を深めていく。
諦念。無気力。そうして多くの対戦校が敗退していく姿を見てきた。
敗北は大きな傷跡を残す。
時に癒えないほどの痛みを強要することさえある。
少なくとも「彼」はそうだった――