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君が笑う、その時まで

第28章 re:start


 バスケ部に木吉先輩が戻ってきました。
 
 個人的に初めて会ったときには変な人だと思いましたが、部活で改めて紹介された時はインパクトのある方だと思いました。

 先輩の並々ならぬ思い。
 レギュラーを賭けた火神くんとの1on1で見せたスキルの高さ。

 間違いなく誠凜には僕ではなく木吉先輩が必要なんだ――


 練習試合の後、僕は自主練中の主将に直談判しに行きました。

 そこで僕は主将に怒られました。

 先輩たちの思い。
 試合に出られなかった皆の期待。
 僕自身の役割。

 その重み、思いを僕は預けられている。
 それがユニフォームを着て試合に出る身としての責任だと自覚させられました。

 黄瀬君や緑間君たちと試合をしてきた中で火神君とならキセキの世代に勝てると本気で信じていた。
 けれども青峰君に全く歯が立たなかった。火神君とも訣別して僕は僕自身のバスケが分からなくなっていた。

 それはまるで「あの時」の僕のようだと、今ここでようやく気付いた。

 だとしたら、このまま立ち止まっているわけにはいかないんだ――


黒「――ありがとうございました」
日「ん、もういいのか?」
黒「はい!」

 僕は主将に一礼し、急いで体育館をあとにした。
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