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君が笑う、その時まで

第27章 期待と怠惰のあいだ


 青峰君の姿が見えなくなり、私は深々と溜め息を吐いた。
 
 自分のやるべきことは終わった。
 あとは彼らに任せればいい。

 青峰大輝という存在が誠凜、桐皇両校にいかなる結果をもたらすのか、私がどうこう言う義理は無い。


 勝つか、負けるか。


 どんなに努力しても勝たなければ意味が無い。


 勝たなければ――どんな言葉も、どんな思いも信じられなくなる。

 優しい慰めも、
 純粋な夢も、
 これから先も続くと信じていた仲間との時間も、

 はじめからそんなものなんて無かったかのように思えてしまうのなら。

 はじめからそんなものに期待なんてしなければいい。
 
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