第27章 期待と怠惰のあいだ
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歓声が沸き立つ中、大粒の汗を流す選手たちが次々と通り抜けていく。
その姿に闘争心はもはやひとかけらも存在しない。
鳴り止まない拍手と喝采。
その中に紛れ込んだ誰かの「もう終わったな」という声。
――どうせ何をやったって無駄だ。
――コイツらに当たった時点で俺たちはここで終わるんだ。
――何したって疲れるだけだろ。
――早く試合終わってくれよ。
そんな声が、取るに足らない囁きが俺の頭の中を埋めていく。
「っ何だよソレ。もう諦めんのかよ!」
耐えきれなくなって近くにいた一人に掴みかかる。
ソイツはわけが分からないと言わんばかりに覇気を無くした顔で馬鹿にしたようにわらった。
「何だよ……結局お前らが勝つんだろ」
衆人環視の中、この時俺の感じた絶望に気づくヤツは誰もいなかった。
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