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君が笑う、その時まで

第25章 お見舞い


 緑間君が用を済ませてさっさと帰ってしまい、いま彼女の部屋には僕と火神君と彼女が残っている。

 岸本さんからいろいろと話を聞いたときは心配でたまらなかったのですが、今こうして楽しげな表情で火神君をからかっている彼女を見ると僕の心配が余計なものになってくれて内心ほっとしました。

 それに緑間君も頻繁に彼女の見舞いに来ていたようですし、なんだかだでひとりじゃなかったようですね。


黒「良かったです、元気になってくれて」
伊織「どしたの急に」

 見え透いた作り笑いを向ける彼女に僕の言葉は届かないかもしれない。

 いつものようにかわされて、やりきれない思いを抱えるだけになってしまうかもしれない。

 たとえそうであったとしても、どうしても言わずにはいられなかった。

 インターハイ予選決勝リーグが明後日から始まる。

 誠凜高校の初戦は桐皇高校。

 カントクの話では、ここ数年で〈王者〉に匹敵するまでに大躍進した新鋭。
 桐皇は今年”キセキの世代”のひとりを獲得した。

 僕のかつての〈光〉である青峰君を――

 明後日の試合はきっと僕たちにとって大きな意味を持つ試合となる。

黒「伊織さん、」
伊織「ん?」
黒「明後日の試合、見に来てくれませんか?」
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