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君が笑う、その時まで

第18章 変化


 高尾君が入ったことで私のいるテーブル席はさっきまでとは比べものにならないほどうるさく――よく言えば賑やかになった。

 主に高尾君が会話の主導権を握り、彼の振る話に黒子や火神君、黄瀬君が乗って、緑間君が冷ややかに突っ込むという構図ができている。

 傍から眺めていると、実に仲がいいんだなと思う。

 こんなにバカ騒ぎができるほど楽しい雰囲気を感じるのは久しぶりだった。

 正直、私もいつまで笑いをこらえられるか自信がない――

「……くくっ、あははっ!」

「「「「「!!」」」」」

 それまで騒いでいた5人がぴたりと話をやめて、私を見やった。

「はー……。面白いね君たち。
 同じチームになれたらいいものが見れそうなのにね」

「……伊織さん、」

 黒子が何かを言いかける。
 火神君も、黄瀬君も、緑間君も、高尾君も、言葉を失っているとはいえ物言いたげな目をしていた。

 私は彼らの詮索を遮るように言葉を続けた。

「ま。それぞれのチームで頂点を目指せばと思うよ」

 そう言って私は「にしし」とわらった。
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