第18章 変化
伊織「うん。確かに黄瀬の表情、今の方がステキだと思うよ」
黄「……伊織ちゃん、」
黄瀬に呼ばれて私ははっとした。
伊織(しまった…。呼び捨てで呼んだ事を怒ってる?変なことでも言っちゃった?)
黄瀬君の瞳孔はこれでもかってくらい細まっている。
私はすぐさま黄瀬君に頭を下げた。
伊織「ごめん。何か変なこと言っちゃった…かな」
黄「ッ!?ちがうッスよ!ただっ……」
黄瀬君が慌てて否定する。
黄「誰かにそんな事言われるなんて思ってもみなかったから……そう。ビックリしただけッスよ」
だから顔上げて?と黄瀬君に促され、私は顔を上げた。
優しげに微笑む瞳に思わず吸い込まれそうになる。
綺麗なくらい澄んだ蜂蜜色。
世の女性たちはきっとこの瞳に恋をしているんだろう。
優しい彼の眼差しに――
優しくて、温かみのある声とともに――
黄「ステキって言ってくれてありがとう、伊織ちゃん」