第2章 運命の歯車
朝の10時、携帯電話の着信音で目が覚める
低血圧で朝起きるのは苦痛でしかない
その上休日となれば尚更だ
(ん…誰だからだ)
だるさから枕に突っ伏したまま横目で携帯のディスプレイを見る、しかし誰からもかかってきてはいない
(こっちの携帯にかかってきてない…)
職務上の都合で仕事用と私用で携帯を分けているのだが、仕事用の携帯は運悪く寝室ではなくリビングに置いていた
仕方なく気だるさの残る体を無理やり起こしリビングへと向かう
テーブルの上で鳴り響くコール音
ディスプレイには上司の名前
『諏皇お前は働きすぎだ』そういって休みをくれた上司からという事はよほどのトラブルだと言う事を察する
(面倒だなぁ…)
そう思いながら携帯をとる
『もしもし、諏皇です。何かトラブルですか主任』
そう言うと彼は申し訳なさそうに
『ああ、休日だというのにすまないが、すぐに来てくれ』
『了解しました。直ぐにそちらへ向かいます』
ものの数分で準備をし愛車であるGSX1000Sに乗り会社へと向う
(この前はプロフェッサーの指示でヘルヘイムの森で訳の分からない実験(決して私が頭が悪いのではない)をしててインベスが大量出現したんだっけか……次はどんなトラブルなんだろうか…)
そんな事を考えていたらとても胃が痛くなる
プロフェッサーは頭は良いがどこか子供っぽい部分がある、自分の開発した機械に自分の名前をつけていたりするのだから無邪気…いやナルシストなのかもしれない。
(まあ、プロフェッサー絡みってわけじゃないけどあの人は突拍子の無いことしだすからなー)
そんな考えをしながら職場に到着した