第3章 恋人はあなただけ
今、二宮さんが、二宮さんが、私を、
葵って呼んだ!
男の人に下の名前で呼ばれたの、初めてです。
「あの、そんなに見ないで。あ、葵って呼びますよ?」
二宮さんの顔が赤い!
やりましたね~二宮さんの顔が赤いです~。
「なににやけてるんですか」
「い~え~」
「変人め」
「え~」
変人・・・。
でもいいです。だって二宮さんだから。
貴方なら許します。
「葵って呼ばれたこと、ないので」
「そうなの?彼氏とかは?」
櫻井君・・・、
二宮さんに言ってないんだ。
私たちが付き合ってたこと。