第1章 出会いは遊園地にあり
私は入り口でもう一度お辞儀をしてから、部屋を出た。
すっごく名残惜しい。
後ろ髪を引かれる気分です。
「あーあ」
ため息と一緒に声が出た。
「にの~、あの子に恋しちゃったでしょ?」
潤くんが私の顔を覗きながら言った。
「な、にいきなり」
「照れてるな」
照れてるかな・・・いえ、照れてません!
「だいたい!私アイドルの二宮和也ですよ?」
そう胸を張る自分に悲しくなった。
本当は・・・。
「そうだけど、俺らだって人間だし、恋とかするよ」
翔さんのまったく正しい言葉が、私の本音をくっきりさせた。
「なんです。皆、らしくないことを」
そう言って、部屋を出た。
一応帽子とマスクを着けて、
あおさんを追った。