第10章 今日で昨日にさようなら
まともに、和也君の目を見られない。
とりあえず体を起こした。
「あの、和也君」
「聞いた」
「え」
「全部聞いた」
和也君の、辛そうな顔。
あんな顔、見たことなかった。
「どうして、黙ってたの。
あおさんにとって、俺ってそんな人間?」
あ。
「ニノ」
「黙ってて」
松本さんの言葉さえきかない。
和也君は私をしっかり見てるのは
目を合わせなくてもわかる。
「あおさん」
ごめんなさい。
和也君。
わかってる。怒ってるわけじゃないことも
私のために言葉を選んでくれてることも。
だけど、
私が
和也君の心を壊してしまった。
「ごめんなさい」
もう、この場に居られない・・・
私、最低です。