第3章 火薬庫内は火気厳禁、の段。
「読者の皆様こんにちは。乱太郎です」
「きり丸でーす」
「しんべヱでーす」
三人は揃ってこちらを向いている。
「まずは大切なお知らせがありまーす」
「前回、ぼくたち三人は椿さんという松千代先生の妹さんが行き倒れているところを発見して」
「おれが持ってた桶に入れて土井先生の家に連れて帰って介抱する、っていう話だったんだけど」
「そこから話はトんで、今現在、椿さんは忍術学園で働いています」
「………」
「おい、乱太郎、見ろよ、しんべヱの目がどっか行っちまってるぜ」
「あらら…。しんべヱはよくわからないことがあると目と目が離れてしまって、たまに顔からはみ出てしまうんです」
「そっちの説明はいいから、なんで椿さんがいきなり忍術学園で働いてるか、を説明しないと」
「あ、そっか。えと、なんでかっていうと、その、えと…」
「なんだよ乱太郎。読めない漢字でもあるのか?」
きり丸が乱太郎の持つかんにんぐぺーぱーを覗き込む。
「…あっ…」
「えーっと、細かい話を作者が考えてないから、です」
(だってここ考え出したらめっちゃ長いし土井先生出てこないんだもん!by作者)
「まぁとりあえず…土井先生を追いかけてきたってことでいいんじゃね?」
「うん、そうだね。しんべヱ! 椿さんは、土井先生を追いかけて忍術学園に来たんだって!」
ぴっぴっぴーーーーーーー
「あ、目玉が戻ってきたぜ」
「目玉って言っても、しんべヱのはただの点だけどね…。きっとその内詳しい話を書くときがくるよ。とりあえず今は受け入れよう」
「うん、わかった!」
目が戻ってきたしんべヱは力強く頷いた。
「それで、他には何て書いてあるんだ?」
きり丸にせかされて、乱太郎は再度かんにんぐぺーぱーに目を落とした。
「えっと…椿さんは事務のお手伝い、食堂のおばちゃんのお手伝い、あと用具委員会と保健委員会のお手伝いをしています、だって」
「用具委員会と保健委員会? なんで火薬委員会じゃないんだろ?」
「さぁ…あ。次のページからのお話がそのお話みたいだよ」
「あ、そ」
「というわけで、『花立つ人』、一話完結でお送りしてまいります」
「「「皆様、どうぞよろしくお願いいたします」」」
ひそひそ。
(これで全部か?)
(うん、大丈夫)
ひそひそ終了。