第11章 楽しいこと
声に驚くと、跡部さんが野薔薇の中に挿入っていた。
「あ…やぁ」
小さく聞こえたがその声は俺と跡部さんを煽るだけで、跡部さんは容赦なく腰を打ちつけた。
肩に回された腕を気を付けながら、身体を支えるようにそっと乳房に触れると、野薔薇が大きく息を吐いた。
やわらかい膨らみは下を向いている分大きく感じて、握ると手の中でふにゃりと形を変えた。
「んっんぅっ」
切ない表情にそのままキスを続ける。
3人分の息遣いと、濡れた音と、肌の当たる音が響く。
「ん、はっ、ああっ」
あと控え目な喘ぎ声。
跡部さんが屈んで野薔薇の背中に密着している。
見上げると目が合って、それが離せなかった。
アイスブルーの瞳は熱く燃えていて、背中を舐めてニィと笑み浮かべていた。
跡部さんはまた身体を起こし、自身を深く挿しこむ。
「ふぁぁぁっ」
今まで聴いたことがなかった野薔薇の喘ぎ声に身体がぞくぞくと反応する。
触れていた膨らみを口に含むと野薔薇がびくんと身体を揺らした。
「わ…かし…」
「ああ」
名前を呼ばれたことに返事をしながらも胸に舌を這わせる。
さっきの跡部さんの言葉を思い出し、首に向って舌を進める。
ペロリと少しだけ舐めると、野薔薇が大きく声を上げた。
「ひゃ、あああんっ」
首筋をそっと撫でる。
「ふっあああああっ」
「くっ」
跡部さんの声が小さく聞こえる。
「な、こいつ、首の感度すごいだろ」
首筋に光る汗に見惚れた。跡部さんの淫美な笑みと、必死そうな野薔薇の顔。
本当に、頭がおかしくなりそうだ。
「くっ」
と小さく声呻くような跡部さんの声がして、野薔薇の身体が痙攣するようにびくびくと跳ねた。