第11章 楽しいこと
「はぁっ、あっ、はぁ、はぁ」
「ホラ、休んでる暇ねぇぞ」
跡部さんが野薔薇のナカから出ると、脱力していた野薔薇が再度ぴくりと動いた。
「んっ」
「次は?若にしてもらうんだろ?」
意地の悪そうな表情をした跡部さんがカチャカチャとベルトの音をさせながら言った。
「は?」
頭が追い付かずそう言ったが、ぼんやりした脳みそが視覚だけははっきりさせていた。
気付くと野薔薇が俺のズボンを下ろし、俺自身を口に含もうとしていた。
「わっ、やめ」
手を伸ばしたが横から跡部さんに止められる。
意味が分からない。跡部さんの顔をまじまじ見詰めたが、アイスブルーの瞳はただ微笑んでいる。
「うっああ」
小さな赤い唇にペニスが飲み込まれるように包まれる。
温かく柔らかい口内に犯されていく。
あまりの気持ち良さに身体がいうことを聞かなくなりそうで、恐ろしい。
「っあ、うっ」
吸われ、舐められ、どんどん快楽に俺自身が大きく反応していく。
見ると視線に気付いたのか赤い顔の野薔薇が俺のを咥えたまま上目遣いにこちらを見た。
目が合う。なんなんだよ、この可愛い生き物は。
そっと頬を撫でるように手を伸ばすと、生徒会室の時とは違って受け入れるように頬を寄せられた。
「わかひ?」
「うわぁ、お前っ咥えたまましゃべるな」
響く。
「ん」
短く返事をしてまた口内で愛撫されていく俺自身はそろそろ限界だった。
「あっ、ちょっと待て、やばい」
小さく言うと、んちゅ、と音を立てて口からペニスが抜けた。
「んっ」
衝撃に弱いそれはそそり立っていて、早くなんとかしてほしい状態だった。
野薔薇が不安げに俺の横に腰掛ける跡部さんを見た。
「どうした?ちゃんと若にお願いしろよ」
マジかよ。
「若…」
「…ああ」
「えっと…、楽しいこと、しよ」
「…!」
まさかの台詞に眼を見張ると、野薔薇がへにゃ、と破顔した。
野薔薇視線の先には跡部さんがいる。ああ、こんな風に笑うんだな。
そう思う余裕はこの瞬間だけだった。