• テキストサイズ

【テニスの王子様】王様と私【跡部景吾裏夢】

第11章 楽しいこと


「俺も」

「え!?」

「俺もキスした」

「ええっ」

「だって、したくなったんだから仕方ないだろ」

「野薔薇は…?」

「ごめんね、ありがとうってさ」

「俺も」

長太郎が微笑む。

「野薔薇、跡部さんの前だとちゃんと笑うのかな」

「そうかもな」

「いいなぁ」

自分たちもあまり見たことがない素顔の笑顔を思うと、少しうらやましい。

「もう今日は寝ようぜ。鳳もひどい顔だし」

「…うん」

鳳が神妙な顔で頷く。

「それ、冷やしとけよ」

「あ、うん、氷のう貰った」


俺達は気付くのが遅かった。

あいつは自分のしあわせを自分で見つけたのだ。

もう、俺達が守ってやらなくても、笑えるんだ。

鳳の枕元に俺達があげた野薔薇の眼鏡があった。

ああ、鳳にとられたってさっきあいつが言ってたな。

そう思いながら眠気を受け入れる。

鳳はもう寝息を立てている。

野郎の寝息を聞きながら眠りに落ちるのは不本意だったが、すぐそこまで迫る睡魔に身を委ねた。
/ 104ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp