• テキストサイズ

【テニスの王子様】王様と私【跡部景吾裏夢】

第9章 友情と愛情



「あのね」

口を開くと甘えたような声が出た。

顔を上げた景吾はいつもより少し幼く見えた。

息を吸ってもう一度あのね、と言った。

「私、もしも、景吾に出逢う前、に長太郎か若と付き合ってたとしても、景吾のこと、見つけたと思う」

真っ直ぐアイスブルーの瞳を見つめる。不安げな瞳は少し揺れている。綺麗。

「そんなの、わかんねぇだろ」

「解るよ」

景吾を見据えたまま、私は被せ気味に答えた。

解るよ、だって私は景吾を見つけたから。

「私の心を引っ掻くのは、乱すのは、景吾だもん」

景吾は黙って私を見つめる。

「満たすのも、景吾だけだよ」

さっきとは打って変わって優しく抱擁される。

「お前は、俺のだろ」

「うん、そうだよ。誰に何をされても、私に本当に触れるのは、景吾だけだよ」

景吾の香水は、私程じゃないけど、甘い。

目を閉じて背中に手を回し、ぽんぽんと撫でた。

もたれるように抱きしめられて、心も温かくなる。

愛してる。

/ 104ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp