第9章 友情と愛情

1番イイトコロじゃない、そこじゃなイケないと分かっているところを指で擦る。

「ふっうっああっ」

焦れったいのだろう、腰が動いていて艶かしい。

「何が関係ないんだ？」

野薔薇が言葉を絞りだそうと一生懸命酸素を取り込もうとする。

「だ、からぁ、誰が、私を好きで、も、私は景吾を見つけたの！」

首に抱きつかれ、野薔薇の言葉にようやく俺の動きが止まった。

大きく息を吸い込み、俺の首に腕を、回し手を回し脱力する野薔薇。

首筋に唇をつけると我慢できずにそのまあま吸った。病室で嗅いだ綿菓子のような甘い匂いがする。

「んっ」

小さく声がする。野薔薇の首筋に花が咲く。

気持ちが冷静になっていくのが分かった。乖離していた心と身体が繋がっていく。

「なんで、俺の物だと言った日にちょっかい出されてんだよ」

独り言を言うように小さく言ったが、そんなのコイツだって知りたいだろう。

大切な幼馴染に告白されて、動揺した様子もなくおだやな野薔薇。