第5章 M×A for MJbirthday
Mside
櫻井先生と二宮が病室を出て行って。
勿論ぎゃーぎゃー言いながら。
また、ぎゅっと相葉を抱きしめた。
「お前は、ひとりじゃないから…」
「…はい。」
「でも、気軽にオトコに抱きしめられてんじゃねーよ。」
「え?翔ちゃんのことですか!?」
「当たり前だろ!?櫻井先生みたいなイイ男に盗られてみろ…一発だぞ…」
「でも、翔ちゃん幸せそうでしたよ?にのりん先輩と…」
「そういや二宮って、なんで有名なんだ?」
「あのー…『ヒト誑し』です…(笑)」
「あぁ…なるほどねー?」
言わんとする事は分かる気がする。
「だから、今までにのりん先輩は、色んな男のヒトで遊んできたんです。」
はああ!?
「それは単純にオトコ誑しって言うんじゃないのか!?」
「うーん、なんか、体の関係は持ってないみたいですけど、
…イケメンを自分に惚れさせる、みたいな。」
なんじゃそりゃあ!?
「でも、それが今年に入って、必修政経担当が翔ちゃんになったら…一目惚れで…。」
…ほう。
「今までのヒト、全員フって翔ちゃん追いかけてる、って話で…。」
ふむふむ。
「まーでも翔ちゃんって鈍いから、」
相葉、お前が言うか。
「だから振り向かせようと必死だった、って訳だ…」
いきなり俺が口を挟み、目をぱちくりさせて驚く相葉。
「…あれ!?先生知ってるんですか?」
「よく言ってたんだよ二宮。『せんせー、ちゃんと恋しなきゃ。俺に追い越されるよ?』…って。」
「うわー先輩、がっつり振り向かせる気満々だったんだ…(笑)」
「そう。だからわざと補習になるようにした。」
「へぇ…
でもね、俺。そんなにのりん先輩見て、凄い良いなって思ったんだ…」
少し遠い目をした相葉が、
箱を開けようとしている。