第5章 M×A for MJbirthday
その日の夕方、櫻井先生がお見舞いにやって来た。
「おー、相葉大丈夫かぁ?」
「あ!翔ちゃん久しぶり!
平気です、へーき。」
「マジで?」
櫻井先生の後ろからチラッと顔を覗かせたのは、
「あ、二宮も来たのか。
まさ…相葉、ウチのクラスの二宮。倒れた時の第一発見者だから、」
「あ、ありがとうございます。」
ベッドから体をあげてペコッと頭を下げる相葉。
「せんせー今、相葉くんのこと下の名前で呼ぼうとしたでしょ?」
「うるせー聞き間違いだろ!」
「あの…二宮さんって、アノにのりん先輩ですか?」
俺と櫻井先生が目を合わせて、?な顔をしていると…
「…っそうだけどっ…」
顔も、ついでに耳も真っ赤にしてる二宮。
「えーっと、ナニソレ?」
櫻井先生が驚きすぎて若干片言で相葉に聞くと、
「えー?有名ですよ、後輩には。にのりん先輩は…」
「あーっお前絶対それ以上言うなよっ!」
全力で相葉を遮る二宮。
「落ち着けって、かず。」
苦笑した櫻井先生が二宮を抑えつつ、“頭ポンポン”をすると、
さっきの数倍、顔と耳を赤くした二宮が、櫻井先生の後ろに隠れた。
「…あれ?翔ちゃん二宮さんと付き合ってるの?」
「な、なんで解ったんだよ…」
「だって今、“かず”って」
「それ言うんだったら、相葉くんだって松本先生と…」
「わぁーっ言うな言うなそれ以上…っ」
もはやぐちゃぐちゃな病室。
通りかかった看護師さんに注意されて、
…みんなで黙る。