第5章 M×A for MJbirthday
A side
「げ…。」
1学期最後の授業も終わって、担任からの話も終わって。
明日は終業式だ、ってクラスはお祭り騒ぎになってるところ。
「相葉。」
と、担任の翔ちゃん…もとい、櫻井先生に呼ばれて1枚の紙を渡されたところ。
「やっぱりかぁ…。」
俺の手には、化学の補習の知らせのプリント。
「うわ、雅紀、もらったの?」
「うう、大ちゃーん!」
「あらあら可哀想に。何でまた化学が?」
「だって、レポートの提出がほとんどじゃん?俺、ほとんど出来てなかったから…。」
俯き気味に言えば、全てを察してくれたらしく、それ以上は聞いてこなかった。
1年の時からの友達の大ちゃんは、何でも知ってる少ない理解者だ。
あとは、担任の翔ちゃんと。
「まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないのにな。」
「でも、そんな事情通らないだろうし…。
まずいなぁ、夏休みが1番忙しいのに…。」
「何かあったら言ってよ?」
優しい大ちゃんに励まされて、少し気分が浮上する。
ほんとにちょっとだけだけど。
「はぁ…。」
ここから1ヶ月、鬼のような補習授業は、俺のため息とともに始まる訳だ。