第4章 ピックアップ御礼!
お山の日常②
O side
翔が最近、物欲しそうな瞳で俺を見る。
たぶん、無自覚なんだと思う。
ぽわーってした顔で俺を見て、何だか淋しそうな瞳で見るんだ。
そんな顔で見られちゃひとたまりもない。
「おいで。」と翔をベッドに誘って、求めあって体を交わらせる。
だけど、そのどこか物欲しそうな瞳に変わりはなくて。
何を求めてる?
俺じゃ…足りない?
もしかして、こういうことじゃなかったとか?
「わっかんないなぁ…。」
眠ってしまった翔の寝顔に、
「何が望みなの?」
問いかけてみても、スヤスヤ寝息を立てるだけ。
そして、今この瞬間も、左から同じ瞳が見ている。
求めてくれるのは嬉しいんだけど、
ココ、楽屋なんだけどな…。
とにかくこのままじゃ何か言われちゃいそうだし。
現に、ニノと松潤はこっちを見てニヤニヤしてる。
「翔、ちょっとおいで。」
「え?うん。」
翔の手を引っ張って、楽屋を飛び出した。