第3章 M×O featuring 『君への想い』
O side
あの2人に散々お説教された後、
帰路に着いた。
見上げれば、ライトアップが消えた
東京タワー。
そして、ちらついてきた真っ白な雪。
無性に、君の温もりを感じたくなったよ…
潤。
今なら分かる。
なぜ君が笑っていてくれたのか。
なぜ君があんな事を言ったのか。
潤。
逢いたいよ。
もう一度、やり直せるかな。
マンションのエントランスに入ると、
君の香りがした。
自分の部屋の前で、深呼吸。
きっと、この扉の向こうには君が居るから。
何を言われるのか、どんな顔か…
ちょっと怖いけど。
もう、逃げない。
「ただいま」
「さとしっ…」
ドアを開けたら、愛しい人がいた。
「ごめんな…潤…」
愛しい人が、抱きしめてくれた。
「いやっ…俺こそ…言い過ぎた…」
あったかかった。
「潤…逢いたかったよ」
「俺も…」
体を少し離して見つめ合う。
うるんだ潤の瞳。
そこに自分が映ってるのが、嬉しくて。
「んっ…」
下から、キスをした。
唇を外すと、銀色に光る糸が延びて。
「さとしっ…その顔、反則…」
深い深いキスが、降ってきた。