第3章 M×O featuring 『君への想い』
Oside
「なんで俺の言うこと聞かねぇんだよ!!」
「だからそれしか絶対持たないんだって」
「お前だけじゃなくてみんなのことも
考えろっつってんの!」
「嫌だって!俺はその尺でしかやんないから!」
「あーそう。分かった」
コンサートのリハーサル中。
松潤と、俺のソロのことで揉めた。
周囲には、俺らをポカンと
見つめるメンバーと
何事も無かったかのように
仕事を進めるスタッフさんたち。
「ちょっと休憩ね。22時から再開」
松潤は足音をたてながら、
リハ室を出て行った。
あー…
やっちゃった、か…
「ちょっとリーダー、追いかけなさいよ」
椅子に座った俺を咎める二ノ。
「えーいいよ。今翔ちゃんも外行ったし。」
「まったく…」
「それに、俺やることあるし」
鞄からスケッチブックを取り出す。
パラパラと捲れば、
「うわぁ…」
「Jの寝顔ばっかじゃねーか」
なんか、
いまこの絵見ると、
若干気まずい。
「うわ、見んなよ」
「いいじゃん。見せろよ~」
二ノがひょいと俺のスケッチブックを
取り上げて、相葉ちゃんのところに行く。
「ねぇ~相葉さーん、これリーダーが
書いたJの寝顔だってぇ」
「えーうそ見して?
うっわ、松潤そっくりじゃん!」
「ちょ、やめろって!」
二ノからスケッチブックを取り返そうとして、
後ろから羽交い締めにしたとき
リハ室の扉が開く音。
「あっ…」
誰のか分からない
小さな叫び声。
鏡越しに、松潤と翔ちゃんが
帰って来ているのが見えた
「翔さん、やっぱ俺やってらんねーわ」
「ちょっと松潤?」
あ、また、
やっちゃった…
出ていったのは
俺の恋人、松本潤。
出会って初めて、ケンカした。