第6章 ふたりの記念日 A×N
Nside
骨の髄まで沁みるような寒さ。
まだ11月なのに、今日は余計に寒い。
窓の外を見ても、工場から帰る
おじちゃんたちが喋ってるだけ。
俺の待ち人は、来ない。
分かってる、まだ仕事頑張ってるなんて。
最近、なんだかみんな忙しいんだ…。
翔ちゃんはニュースキャスター始めちゃったし、
潤くんのドラマは大ヒット。
大野さんは、来年かなんかに個展やるかもって、
絵ばっかり描いてる。
それに相葉さんも…、
1人のレギュラーで認められて…
なんだ、俺だけダメじゃんって…。
いや、みんなの活躍を妬む訳でも、
応援出来ない訳でもないんだ。
でも…
なんだか、みんなが遠くに行っちゃうような、
そんな気がしてるんだ…。
古びた机上の時計は、そろそろ23時を指す。
21時には終わるって言ってたんだけど…、
いま汐留で仕事が終わっても、
ここまで30分はかかる…。
まだかな。
今日中に、
来てくれるかな…。
あなたと俺が出逢った、
今日という日に。