第22章 お土産と掃除*
袋を開けてみれば何種類ものたくさんの漬け物が入っていた。
「ちゃん、漬け物好きって言ってたから約束通りたくさん買ってきた!」
こんな優しい彼を誰が怒れるというのか。
『ありが「ちゃん!」
『はいっ!💦』
御礼を言おうとしたところでまさかの環君その言葉を遮られた。いきなり、どうしたの?
「俺、京都での仕事、めっちゃ頑張った!」
『うん?』
「壮ちゃんや、マネージャーの言うこともちゃんと聞いて良い子にしてた!」
『うん??』
「王さまプリンも一個で我慢した!!」
『うんん??』
「………ご褒美が欲しい……です!」
へ?
ご褒美?
高いものは買えないけど、王さまプリンくらいなら……?
てか、王さまプリンは別に好きなだけ食べればいいと思うよ。
『何が欲しいの?』
「……ちゃんに、頭撫でてほしい。」
え?
「京都に行く前にちゃん、俺の頭、優しく撫でてくれたじゃん。あん時すげー嬉しかったから、あれをもう一回やってほしい。」
まさかの予想外な返答。
絶対王さまプリンかと思ってたんだけど……。
環君、人に撫でてもらうの好きなのかな?
『本当に撫でるだけでいいの?』
「うん。」
『お土産買ってきてくれたし、王さまプリンくらいなら買ってあげるけど?』
「ぐっ……いい。いらない。」
今、ぐって言ったよね。
王さまプリンもほしい訳だ。
『環君、しゃがんで!』
「おっおう!」
環君は私の前に頭をつきだした形でしゃがんでくれる。私は環君の頭を優しく撫でてあげた。
『環君仕事頑張ったみたいだし、今度王さまプリンを買ってあげよう!』
「まじ!?」
『おう!まじまじ!女に二言はないよ!』
アイドルの苦労なんて私にはわからない。
だけど、環君が頑張っている事は知っているつもりだから………。
だから優しい彼が、この先も元気に笑っていられるように。少しだけ願いをこめて私は頭を撫でたのだった。