第21章 小悪魔と掃除*
今日は掃除も誰にも邪魔される事なく順調に進んでいる!
うふふ。今日はなんか良いことが起こりそうな予感!
「ねぇ、君。ここの寮の関係者?」
前言撤回。
嫌な予感しか、しないわ。
この声どっかで聞いた事があるんだよね。
しかもつい最近。
めっちゃ振り向きたくないですね。
「ねぇ、僕の話聞いてる?君に話しかけてるんだけど。」
肩をポンとされ、『はいっ!』と咄嗟に振り向いてしまった私。本当、馬鹿。
顔をあまり見られたくないのか、深く帽子を被り、メガネにマスクを装備した九条天が目の前にいた。
蕎麦屋の次は貴方様ですか。
本人には直接言えないけど、その姿不審者に見えるよ←失礼。
てか、九条さん私に気づいてない?
このまま初対面のふりしてやり過ごそう!!←もう説教はごめんです。
「あんまり僕の顔をじろじろ見ないでほしいんだけど。」
『あ、ごめんなさい。それで何のようですか?』
「これを王さまプリン大好きな長身な彼に渡してほしいんだけど。」
王さまプリン大好きな長身………?
あぁ!環君か!
『今、環君は京都にロケ撮影に出ているので寮には居ないんですよ!いつ帰ってくるかは私にはわからないんですけど………』
「あっそ。なら、それの中身王さまプリンだから、日付過ぎるようなら寮にいる人達で食べてくれていいよ。彼にはまた買えばいいしね。」
『じゃあ、ありがたくいただきます!でも、なんで王さまプリンを環君に?仲が良いんですか?』
「別にそんなんじゃないよ。彼、王さまプリンをあげると、なんでもやってくれるから。今日もその報酬を渡しに来ただけ。」
なるほど!餌付けか!
『この王さまプリンを報酬に、環君に何を頼んだんですか?』
「それは内緒。君には関係ないでしょ。」
塩、塩、塩。
貴方は本当に陸君と双子なんですか。
陸君は素直で要らん事も言ってしまう良い子なのに、貴方は秘密主義な上に、説教が長い二重人格者←失礼