第19章 陸と抜き打ちと掃除*
どうもご無沙汰でございました。
あの悪夢のようなマネジャー業務をやりとげ、無事アイナナ寮へ帰って来ました。
社長の頼みでも、もう二度と手伝いません。えぇ。絶対。
では、気を取り直して!
第二回抜き打ちお部屋訪問始めます!
忘れた方の為にもう一度説明致しましょう。
この抜き打ちお部屋訪問とは、言葉のとおり寮に住んでいるアイドルの子達のお部屋に抜き打ちで訪問し、掃除するシステムとなっております!
そうです!例の事件のせいです!
なので、私にも彼らにも拒否権はありません!!
てな訳でさっそく!
今回のお部屋はこちら、七瀬陸の君のお部屋を掃除して行きたいと思います。
おっと、その前に!
前回環くんのお部屋を掃除する際アクシデントがありましたので、その経験をいかし、【ノック大事】という事を私は学びました。
ではいざ!
コンコン。
返事がない。
ただの屍のようだ。
まぁ、冗談はおいといて。何度か扉をノックするも、ドアの向こうから返事はなく。
どうやら陸君は留守のようですね。
では合鍵で入らせていただきます!
『お邪魔しまーす。』
やはりお部屋の主はいないようで。
これなら気兼ねなく掃除ができますな。
しかし、男子の部屋の割に陸君のお部屋はちゃんと片付けられていた。
まぁ、最初が環君だったからな。あの部屋が酷すぎたのか。
ただ陸君のお部屋に一言言わせていただけるのであれば……部屋全体が赤い!
カーテンもクッションもベットさえ赤い!
赤色が好きだからって限度ってもんがあると思うよ。
なんと言うか………目がとっても痛い。
………とりあえず、さっさと掃除して出よう。
(目大事)
『ん?』
掃除を始めようとしたその時、机の下に写真が落ちているのを発見する。
あぶねぇー。今気づかなかったら、掃除機で吸うところだった。
私は写真を拾い、机の上に裏返して置いといた。
人の、ましてやアイドルのプライバシーに関わるからね、お写真の中は見ませんよ。
さて、掃除掃除!