第18章 MEZZOと恋のカケラ*
僕の声は届いているのかいないのか、環くんはかごにありたっけの漬け物を入れてレジの方に行ってしまった。
「…………神埼さんへのお土産か。」
僕もいつも寮の掃除のお世話になっているし、環くんみたいに何か買っていこうか。
だが、環くんと違い約束した訳でもないし、迷惑じゃないだろうか。
「あっ!壮五さん!こちらにいらっしゃいましたか!環さんの買い物終わりそうですか?」
可愛いストラップの棚で迷っているとマネジャーが僕の方に走ってきた。
「マネジャー、ごめんね!今環くんが会計してるよ!」
「そうですか!せっかくの京都なのにあまり自由時間がなくお土産を買う時間も僅かしかとれずすみません。」
「そんな!マネジャー!別に気にしないで!💦僕達は観光じゃなくて、仕事で来てるんだから!それにこれだけ自由時間がとれれば十分だよ。」
すみません……もっと私がしっかりしていればと謝ってくるマネジャー。
本当に気にしなくていいのに。
「そういえば壮五さん、ここでストラップをみていた様ですが?誰かにプレゼントですか?」
「えっ!?////いや、その……」
「何をあげてもさんは喜んで下さると思いますよ!」
「なっ!////」
僕、神埼さんにあげるって言った?
マネジャー……なんで、こういう時だけ鋭いの!?
「口に出していらっいましたよね?」
僕のアホ。
マネジャー……一体どこから聞いていたの。
「これなんてどうですか?」とうさぎのストラップを指差すマネジャー。
確かに可愛い。だけど、神埼さんの性格上こういう可愛いものはつけない気がする。でも、、、なんだかんだで、うさぎのストラップを貰ってくれる君の姿が浮かんでしまう僕。
この気持ちを恋と断定するにはまだ早い。
彼女と出会ってまだそんなに月日は立ってないし、でもあの時から気になっているのも事実な訳で。
ふと環くんの言葉が脳裏をよぎる。
一ちゃん。喜んでくれっかな。一
環くんには負けたくない!!
僕はうさぎのストラップの取りレジに走り出す。
「すみません!!このうさぎのストラップ、プレゼントでお願いいたします!」
少しでも彼女が僕に興味を持ってくれるように。