第17章 TRIGGERと掃除*
今日はバイトが休みのはずがまさかの小鳥遊事務所からお呼びだしの電話があり、私は今なぜか社長室の前にいる。
扉をノックすればどうぞと、穏やかな声が聞こえてきた。
『失礼しまーす。』
「いらっしゃい。君が神崎ちゃんだね。お母さんから色々話は聞いているよ!今の仕事には慣れたかい?」
『はい。お陰様でラク…楽しくやってます!』
「そう。それはよかった。アイドルの子達も君がいると楽しそうでね、本当に助かっているよ。…ところで今日は、さっき電話したとおり、君に仕事の事でお願いがあって呼んだんだ。」
仕事が増えるのだけはやめて!
仕事が増えるのだけは本当にやめて!!
「君は本当に正直で、素直だね。顔に出てるよ。増えるというよりはお掃除じゃなく別のお仕事を頼みたいんだ。」
『別のお仕事?』
「そう。君に今日一日だけ、 IDOLiSH7のマネジャーをやってもらいたいんだ。」
『!!?』
えっ、ちょっと待って!
本当に待って!!!
今、社長さん、マネジャーって言った?
あり得ない。無理。断固拒否です。
『いや、無理です!!絶対に無理です!!それに、失礼ながら小鳥遊社長 !IDOLiSH7のマネジャーは紡さんがやっていらっしゃると思いますが?!
』
「そう。IDOLiSH7 のマネジャーは紡だ。だけど、その紡は今、同じIDOLiSH7のメンバーのMEZZOの二人の付き添いで京都へ遠征に出てしまっているんだよ。」
『あ……環くんがこの間言ってたような……白目。』
「大神くんに行かせようにも彼は事務作業で手一杯でね、今回の IDOLiSH7の雑誌撮影は、TRIGGERという他アイドルも一緒で、あまり迷惑をかけられないんだよ。もちろんこれは君の本当の仕事内容じゃないから、とても嫌なこともわかってる。でも、人助けだと思って今日一日だけ、お願いできないかな。」
社長さんは悲痛な面持ちで深々と私に頭を下げてきた。
ここまでされたら、さすがの私も首を縦に振るしかない。
『わかりました…。今日、一日だけなら頑張ります。白目』
「ありがとう!本当に助かるよ!!」
じゃあ、さっそくで悪いけど、と社長さんから渡されたのはびっしりと詰まったタイムテーブルだった。
『……………。』
「わからないことがあればあの子達に聞いてね!」