第16章 環と抜き打ちと掃除*
「そっか、ごめん。次から気を付ける。」
私は環くんの将来が心配になってきたよ。
「あっ!おばちゃん、何かほしいものある?」
『ほしいもの?別にないけど。後今さらだけど、おばちゃん言うな💢』
「ほんと今さらじゃん。しかも、ほしいものないのかよ…。」
明らかにしょんぼりする環くん。
ほんとに大きな子供だな。態度でよくわかる。
だが、なぜそんなにしょげる!そんなに私、悪い事言ったか!?
『あーぁ。じゃ、つけもの!』
「しょぼ……。」
ぶちっ
私の良心が限界がきた。
『このクソガキ💢💢!!!』
私は近くにあったバットを手に取り振り回す。
「わっ!、ぶっねー!ちゃん!ちょっと、たんま!!」
『アイドルだかなんだか知らねぇーけど、もう関係ねぇー!殴る!💢💢』
「たんま!たんま!!来週からそーちゃんと仕事で京都行くからお土産何がいいのか聞きたかったんだよ!!」
バットは環くんの頭上でギリギリストップした。
『お土産ならお土産って最初から言えや💢』
「ちゃ、ちゃんとつけもの買ってくる。」
だからバット置いてくださいと、土下座してくる環くん。
しゃーない。そういう事なら許す。
環くんなりに私にお土産を買ってくるつもりで悩んで聞いてくれたんだろう。ならもうこれ以上怒れない。
私は思わず環くんの頭を撫でた。
『京都……。気を付けて行ってらっしゃい。仕事頑張れな。』
環くんは驚きながら顔をあげた。
だけどすぐに笑顔になり「おう。」と答えくれた。
私はそろそろ掃除に入ろうと立ち上がろうとしたが急に環くんに引っ張られ気づけば環くんの腕の中にいた。
『えっ、ちょっ環くん!?』
「…………もう少しこのまま。ちゃん、冷たくて気持ちいいな。」
まって!!
なんでこんな事になった!?
この小説はギャグじゃないの!?
って、違う!そうじゃない!!!
『環くん!お願いだから離してっ!!』
「やだ。」
結局、環くんの力に叶うはずもなく。夕飯で陸くんが呼びに来てくれるまで私はこのままだった。
そして無事陸くんに助けられ私は帰宅するのであった。
くそっ!結局掃除が出来なかった!!
それにしても……環くんは要注意や。
イケメンだからってやっていい事と悪い事がある。