第12章 和泉と見舞いと掃除*
『んーっ!よく寝たーっ!!』
この間熱中症で倒れたということもあり、今日のバイトはお休み!
母親は整形の病院。
少しはぎっくり腰もよくなっているといいんだけど……。
さて、久々の何もない休日。だらだらしよかと思いきや家のチャイムが鳴った。
インターホンのカメラを見てみれば男の二人組が映っていた。
サングラスに暑い中、帽子を深く被り、マスクもしている。どうみても怪しい。
『うん。これは居留守した方がいいな。見なかった事にしよう。』
私は自分部屋に戻ろうと踵を返した。
だがその二人組はあまりにしつこく、人の家のチャイムを鳴らしまくる。
この野郎💢
私は頭にきてフライパンを持ち、玄関の扉を開けた。
『あんたら、しつこいんだけど!!あんまりしつこいと、このフライパン投げつけんぞ!!💢』
「ほら、やっぱりいるじゃないですか。」
「お前な……いるならいるで、早く出てこいよ💧」
『え……??』
私の目の前にいる怪しい人達の声は、どこか聞き覚えのある声で。
「まったく。貴女という人は本当に騒がしい人ですね。」
一人がサングラスを外した。
確かにその顔は見覚えのある人で。
『一織くん!!』
「えぇ。そうです。そして……」
もう一人の小柄な男もサングラスは外した。
「じゃじゃーん!俺でした☆」
『いつぞやの少年!!』
「おい!💢だから俺は少年じゃねぇーよ!💢」
『ちょっと、今はそれは置いといて。』
「置いとくな!!💢」
『二人はなぜ家に??』
ずいと一織くんが箱と小さな花束私に渡してきた。
なんじゃこれは。
「お見舞いですよ。貴女が倒れたと七瀬さんに聞いたので。」
「本当はみんなで行こうって話してたんだけどな、仕事がオフなのが俺と一織だけだったから、みんなの代表って事で来たわけだ!』
『あれまー💧わざわざすまんね……💧てか、そうか。君たちはアイドルだもんね。だからサングラスにマスクか……。』
「えぇ。一応これでもアイドルですので。」
「ブラックホワイトで、あのTRIGGERにも勝ったんだぜ!」
あのトリガー??どこのトリガー??
何トリガー??