第10章 ナギとお茶と掃除*
着いた場所はとてもおしゃれなアンティークカフェのお店だった。
あのすみません。めっちゃお値段が高そうなお店なんですけど。
私の手持ち金3000円なんですけど足りますかね。
さぁ、どうぞとナギさんが扉をあけてくれた。
やはり外装と同じように内装もかなり凝っていてとても綺麗なのだが…。
ハッキリ言おう。庶民の私が、来るようなお店じゃない!
ウェイターさんにお好きな席へどうぞと言われ、私たちは日当たりの良い窓際の席についた。
うん。ほんと、私ここにいるの場違い☆
「ふふ。こいうところに来るのは始めてですか?」
『始めてですね…。ていうか、絶対来ませんね。』
「Oh!ならここの紅茶とケーキはとても美味しいので是非たくさん食べください。お金の事なら気にせず、全てワタシが払いますから。」
『えっ💧それじゃお詫びにならないのでナギさんの含め自分の分も自分で払いますよ!!』
「NO、NO!、ここなは関係ありません。今日はワタシが無理にお願いをしてアナタについてきてもらいました。最初に盛大にフラれてしまったので、ここなはアナタに断られないようお詫びという形にしただけです。」
『え?』
「どうしてもアナタと二人でお茶がしたかった。それに、ワタシはアナタをまたお茶に誘うと言いましたよ。 」
開いた口が塞がらないとはこの事だろう。
まさかのお詫びもクソもなかった。
ただナギさんは私とお茶がしたかっただけ。ならこんな高級そうなお店に来なくてよかったのでは……ましてや、お茶だけなら仕事終わりでもよかったし、私がこんな格好をすることもなかったんじゃないのか。
最初にキッパリ断るんじゃなかった…。
『ナギさん…、今度からお茶は仕事終わりに誘ってもらえますか。』
「マドマゼル!またワタシと来てくださるんですか!?yes!仕事終わりでもいつでも!」
『えぇ、こんな高級そうなところじゃなく、普通に寮のお茶でもなんでも…。』
一人で舞い上がってるナギさんを横目に私は盛大なため息をついた。
『ケーキでも食うか。』
「yes!ワタシのオススメは木苺のタルトとレモンチーズケーキですね」
『じゃあ、それで!飲み物はカフェオレでお願いします。』
ナギさんの言う通りこの店のケーキはとっても美味しかった。
また来ようかなと、思ったのはナギさんには内緒の話。