第10章 ナギとお茶と掃除*
今日は、この間私が割ってしまった、ここなのコップのお詫びにナギさんとお茶しにいくことになったのだが……。
回想
「えぇ!?ちゃん今日デートなの!?」
『いや、まぁ…。デートというかお茶。』
「なんでそれをもっと早く言わないの!!可愛い服とかアクセサリーとか用意してないわよ!!」
『人の話聞けよ、ばばぁ。』
「あっ、まって!そうだわ!確かこの間……。」
母上が奥のタンスから何かごそごそしだした。
言っておくが、レースやヒラヒラの類いは着ないぞ。
だが出てきたものは私の予想通りのもので。
白が基調のリボンのワンピースだった。
「ほら、これならちゃんでも着れるでしょ!」
『………。』
「ほらほら!殿方を待たせちゃダメよ!早く着替えてさっさといってらっしゃい!」
『ちょっ、押さないで!待ち合わせの時間まで、まだ大分ありますけど!?』
「問答無用!!」
『ぎゃぁぁぁぁあ!!』
回想終了。
終了のお知らせ。
母のせいで普段着なれてないヒラヒラ服に、ヒール、手首には可愛いらしいアクセと財布しか入らない小さいバック←もう帰りてぇ。
「おや、マドマゼルの方が早かったようですね。」
『ん?』
振り向けばバラの花束をもったナギさんがいた。
ちょっと待て。
なんだその花束は。
「これは綺麗なアナタに贈り物です。」
『…………。』
はナギからの花束を
A:【コップを割ってしまった事への罪悪感がある。受けとる。】
B:【邪魔やこんなもん。てか、お茶しに行くんでしょ!受け取らない。】
うん……Aかな←
『あ…ありがとうございます。』
私はBの選択肢を飲み込み、笑顔で花束を受け取った。
「さて、マドマゼル今日は私がエスコートさせていただきます。とても美味しいカフェに案内します。」
そういうとナギさんは私の手をとり、ゆっくり歩き出した。
「Oh…忘れるところでした!」
『えっ?』
「そのワンピースとても似合っています。いつもの貴方も魅力的ですが、今日の貴女は一段と魅力的です。」
『なっ!////』
いきなり止まったと思ったら、ウィンクしながら手にキスしやがった!
「では、いきましょうか。」
何事もなかったように歩き出すナギさん。
ほんとイケメン怖いわ…。