第9章 大和とコップと掃除*
やっちまった…。
私としたことがアホなミスをおかしてしまった…。
何をやらかしたかというと食堂の掃除の最中に机ぶつりかり上にコップが乗っかっているのに気づかず落としてしまったのだ。
なんか絵が描いてあるけど見事に粉々でわからない。
どうしたもんか…。
「ん?ちゃん、そこでなにやってのー?」
げっ、この声は……。
振り向けば私の想像通りの人物で。
大和さんが立っていた。
そして私の真下に転がる惨状をみて笑いだした。
「おぉー。こりゃまたハデにやったなー。wしかもナギのお気に入りのコップじゃん!どーすんのw」
『げっまぢか!!💦やっぱさすがに弁償かな💦これと同じコップが売ってる店、大和さん知らない?』
「多分そのコップどこにも売ってないぞ。」
『なぬ!?」
「確かそのコップ、ナギが好きなアニメのまじかる☆ここなの期間限定発売のやつだ。」
なんじゃ、そのまじかるなんちゃらとは。
てか、まぢかよぉおおお。どこにも売ってないとかもう謝るしかないじゃんんんん!!!
※みんなは悪いことをしたらちゃんと素直に謝りましょう。
『どうしよぉおおおおおおお!』
「んじゃ、お兄さんはこれで。あとは頑張れよ!」
おい、待ちやがれ。
私は咄嗟に大和さんの腕を掴んだ。
『お兄さんには良心というものがないのかね?』
「水をぶっかけておいて、ろくに謝りもせず、無理矢理掃除を手伝わせた奴に良心を持てと?」
『あの時はさーせんした。まぁ、でも今は水に流そう?』
「水をぶっかけだけに?」
『上手い!座布団一枚!!』
べしっ。
痛い。頭殴られた。
仮にもアイドルが一般人殴っていいのか!
『告訴したろうか。』
「その言葉、そっくりそのままお前さんに返すわ。」