• テキストサイズ

【アイナナ】アイナナ寮と掃除のおばさん。

第8章 陸と掃除*



つけられてる。
完全につけられてますね。
さて、、どうしたもんか。


つけられると気付いたのはお昼休憩の時だった。
私がお弁当を食べていた時めっちゃ後ろから刺さる視線を感じ振り向いてみると赤い髪の青年が隠れながらこっちをじっと見ていた。
あれで気づかないとか思ってんのかな。
バレバレです。何も害がなかったからずっと放置していたんだが、まさかの夕方になってもやめないとは……。
さすがにもう仕事も終わる時間だし、家にまでこれが続くさすがに困る。うっし、決着つけるか。


私は人通りの少ない道を選び、掃除をする振りをして空き部屋に入った。
さぁ!来るなら来い!!
だがしかし、予想とは裏腹にまったく入ってくる気配なし。

『あれ?』

恐る恐るドアを開けるがそこには赤い髪の青年の姿はなく。変わりに可愛らしい封に包まれたお菓子と手紙がおいてあった。

『なんじゃこれ?』

手紙の内容は

いきなりすみません。
本当は直接渡したかったですけど神崎さん掃除で急がしそうだったし、俺もダンスのレッスンの時間になってしまったので手紙にしました。

一織から聞きました。
俺の為に埃とか色々気にしてくれて、喘息に良いものもを教えてくださりありがとうございました。
最近お陰様でとっても体調が良いです。

もしよかったらこのお菓子食べてください。
神崎さんも体調に気を付けてお仕事頑張ってください。

陸。


『陸……?』

あの赤い子は陸というのか。
てか、喘息はあの黒髪くんではなかったか。
そして黒髪くんの名前今知ったわ。ごめん。

それにしても一織くん。陸とやらに、何を教えてんだ。
私は別に何もしていない。ただちょっと喘息に良いものを教えただけだ。
お菓子を貰えるような大層な事はしてないよ。
それに陸とやらをストーカー扱いしたんだよ。
こんなヤツがこんな可愛らしいお菓子もらっていいの?!

『…………しゃーない。』

私はしばらく考え、お菓子を持ち厨房へ走るのだった。





/ 70ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp