第7章 大和と掃除*
今日も金を稼ぐ為必死に働いてる私。だが、しかし寮の風呂場の掃除はいつやっても身体に堪えるわ。
『もうちっと狭くしてもらえれば、掃除も楽なんだけどな……。もうありったけの洗剤ぶちまけて水でさっと流して終了みたいな。』
「それは清掃のおばちゃんとしてダメなんじゃないのー。」
『あっ、やっぱダメか。だけどさー、この広さの風呂の掃除とかまじ酷いと思わない?てか、みんな私の事おばちゃんおばちゃん言いますけど、まだおばちゃんって歳じゃないから!』
「あーぁ。そういえばたしかミツが言ってた!お前さん本当は若いんだってな。いくつなの?」
『ミツとかだれだよ。私は今年で18じゃ。』
「おー。若いねー。」
………………。ん?今私誰と喋ってる?
普通にナチュラルに会話してるけど。
恐る恐る振り返ってみる
『……どなたですか?』
入口に立っていたのは眼鏡をかけたイケメンなお兄さん。
ほんとここの寮イケメン多いな。おい。
だが、しかし私にはこんな胡散臭い眼鏡のイケメン兄さんの知り合いはいないんだよ。よっ!って挨拶されても困るんだわ。
「あっ、もしかして怪しまれてる?俺は二階堂大和。一応アイドリッシュ7のリーダーやってまーす。んで、最近寮で噂の清掃のおばちゃんが気になってちょっと見にきたってわけだ。」
また噂かよ……私が一体何をした。
私なりにちゃんと掃除やってんだろ。私なりに。←ココ重要。
『見た感想は……。』
「あいつらが噂してたまんま。」
どんな噂だ、ちくしょー。
『もうなんでもいいから自分の部屋に帰れ。私は見せもんじゃねぇー。』
「ありゃ、せっかくお掃除大変そうだから手伝ってあげようかと思ったのにお邪魔だったか。」
『え』
「悪いねー、お掃除の邪魔しちゃって、ならお兄さん自分の部屋でのんびり昼寝でもしてくるわ。」
んじゃ!っと手をひらひらとさせて去ろうとする大和さん。
『!?ちょっと待って!いや、待ってください!大和さん!!!』
私は持っていたホースの事も忘れ大和さんに掴みかかった。
だがそれがアカンかった。もちろんホースから水が流れていて(めっちゃ勢いよく)大和さんは頭からびっしょり。