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【アイナナ】アイナナ寮と掃除のおばさん。

第6章 壮五と掃除*




『なーんて☆冗談です。今のは聞かなかった事にしてください☆あっ!壮五さんは、朝早くから食堂でなにしようとしてたんですか?』

「えっ、あっ!今日は朝早くから撮影があるので今から朝食でも作ろうかなって。」

確かによく見ると壮五さんの手にはフライパンが握られていた。
きっとさっき作ろとしてたんだろう。なのに、たかだか清掃員が食堂に来たからって、わざわざあいさつをしに出てきてくれたのか。
なのにあまりにもうじうじしてたもんだから説教をかましてしまったよ。
すまんね、壮五さん。

『……ふむ。壮五さん。ちょっとここで座って待っててくだされ。そしてそのフライパンを私に貸してください。』

「えっ?別にいいですけど、どうするんですか?」

『壮五さんの変わりに私が御飯を作ってあげようかと!』

「なっ!別にいいですよ💦💦自分で作れますから!!神崎さんは掃除の続きでもしてください!」

『あっ、別にこれはお礼なんで気にしないでください。後今余計な事を言ったお詫びです。』

「いえ!そんな!💦💦えっ、お礼って、僕はなにもしてないですよ?」

『してくれましたよ。挨拶を。貴方がアイドルだと言うのなら、事務所の先輩でもない、たかが掃除員なんて見て見ぬふりすればいいのに。』

可笑しな人。そう言って半ば無理矢理壮五さんを席に座らせ、フライパンをもらい私は厨房へこの場を後にした。




「ふふ。まさか怒られるとは思ってなかったけど。……それを言うなら、アイドルとわかっても……FSCの会長の息子だとわかっても僕への態度を変えなかった貴女の方が可笑しな人だと思います。」


みんなが噂していた彼女はやはりとても素敵な女性だった。
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