第4章 期待の大型新人
ベンチに腰掛けていると、
一人の男が私の方へと向かって歩いてきた。
「おい。」
その男は
先ほどプールサイドに居た"凛ちゃん"という男だった。
「はい!」
なんだか怒っているような様子…っていうか
怒ってる?
「話がある、ちょっと着いて来い。」
凛ちゃんという男はそういうと私に背を向けて歩き始めた。
私は慌てて立ち上がり、
その男の後ろについて行った。
そのまま人気のない所まで連れて行かれた。
…え!?
思わず顔を青くする。
私、この人になんかしたっけ!?
男はじっと私の顔を睨みつけている。
「…あ、あの…。」
私がそう声をかけると、
男は口を開いた。
「お前、西島楓じゃないよな?…お前誰だ?」
その言葉に心臓が大きく跳ね上がった。