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緋寒桜散り行く日陰。☆Free!

第4章 期待の大型新人


幸い、竜ヶ崎は無事だった。

全員がほっと安心したが、
竜ヶ崎はうつむいている様子だった。


「ていうか、怜ちゃん…泳げなかったんだ。」

渚のその一言に竜ヶ崎はビクっとした。


「…そうですよ…悪いですか!?だから僕は最初から泳がないって言ったんだ!」


「そうなら、最初から言ってくれれば…。」

「言えるわけないでしょ!カナヅチだなんて!…僕の美意識に反する…。」

竜ヶ崎はぎゅっと拳を強く握った。


…なんて言葉をかけていいやら…。


でも、竜ヶ崎はすごいな。
カナヅチってわかっているのに、
あんな豪快に飛び込んで…。


泳ごうって頑張ったんだ。



すごい勇気だなぁ。


私は竜ヶ崎の肩に手を触れた。


「竜ヶ崎はすごいよ。」

「そんな慰めいりません!」


私のその一言にキっと竜ヶ崎は私をにらみつけた。


「いや、同情とか、慰めじゃなくて…すごい。尊敬する。…僕、がんばるよ。」

私がそういうと、竜ヶ崎は不思議そうな顔をした。

「ほら、ハルが泳ぐよ。」


真琴先輩のその声に私と竜ヶ崎は
プールの方へ視線を向けた。





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