第4章 期待の大型新人
何故かの泳ぐ順番は最後に回された。
真琴先輩が最初に泳いで、
渚が泳いで…
どんどん順番が近づく。
プレッシャーに押しつぶされそうというか…
きっと私が泳いで遅かったら、
ここで見ている全員にガッカリされるんだ。
そう思うと怖くてたまらなかった。
…逃げ出してしまいたかった。
思わずはっとなる。
きっと兄はいつも…こんなプレッシャーの中で
泳ぎ続けて居たんだ。
竜ヶ崎の番になった。
私はじっと彼を見つめた。
合図でぱっと姿勢を整える。
次の合図でスタートブロックを蹴り、
見事に入水…あ。
竜ヶ崎は見事に腹打ちし、沈んで行った。
…浮かんでこない。
やばい!!!
私は急いでプールへ飛び込んだ。
と、同時に遙先輩も飛び込んだ。
慌てて竜ヶ崎を助け出す。