第4章 期待の大型新人
「ま、真琴先輩。ぼ、僕…多分期待されるほど…そんな速く泳げないです…。」
私がそういうと、
遙先輩がボソっと口を開いた。
「…速く泳ぐ必要なんてないだろ。気にせず好きに泳げ。」
「…だそうだよ。大丈夫。ただの練習だからリラックスして。」
優しく真琴先輩は背中を撫でてくれた。
…そうだ。別に大会に出るわけじゃないんだし…
リラックス。
リラックス。
でも、やっぱり西島楓の看板はでかすぎるよ…。
私、何でここに来ちゃったんだろう。
あぁ。どうしよう。
頭の中はそれでいっぱいだった。
気がつけばいつの間にか竜ヶ崎も水着になっていた。
「…あれ?竜ヶ崎もやっぱり泳ぐの?」
「泳ぎません!!!!」
何故か怒られた。