第4章 期待の大型新人
それから部長はずっと早口で喋り続けていた。
私はそれを聞き流していた。
「あ!お兄ちゃん!!」
そう言ってコウちゃんは走って行った。
私はその様子を目で追った。
赤髪の目つきの悪い男が立っていた。
「あ!凛ちゃーん!」
渚もすぐにその男の元へ走って行った。
…あれが噂の凛ちゃんか。
やっぱり男だった。
その凛ちゃんという男はすぐに
どこかへ行ってしまった。
そんなこんなで、
私たちは鮫塚の1年生と一緒に泳ぐ事になった。
気がつけば、プールのギャラリーには人が集まっていた。
「西島楓が泳ぐらしい!」
その噂を聞きつけたようだ…。
…めちゃくちゃプレッシャーっていうか…
困るっていうか…
イキった割りにやばい気がする。
私、そんな速く泳げない!!!!
緊張から変な汗が流れ始めた。
「か、楓?大丈夫か?」
真琴先輩が顔を覗き込む。