第4章 期待の大型新人
「わぁ!オフシーズンはここで泳げるの!?すごい!」
渚は歓喜の声を上げた。
隣で真琴先輩も目を輝かせていた。
「でしょ!うちみたいに屋内プールしかない学校はこういうの借りて練習すればいいと思って!」
コウちゃんは嬉しそうに屋内プールのチラシを私たち3人に見せていた。
「へぇー。コウちゃんさすがだね。敏腕マネージャーじゃん。」
私がそういうとコウちゃんは顔を赤くした。
「えへへ、そんな敏腕だなんて…。」
「ゴウちゃんすごーい!敏腕敏腕!!」
渚がそういうと、コウちゃんはむっとした顔になった。
「だぁかぁら!ゴウじゃなくてコウ!!!」
…渚、絶対わざとやってるよな。
「あ…遙先輩…。」
コウちゃんのその声に振り返ると、
遙先輩が目を輝かせながらそのチラシを掴んだ。
「…お金は?」
そしてボソっとそう呟いた。
「そこはもちろん!部費で!」
コウちゃんは嬉しそうに笑った。
「「な、なるほど!」」
私と渚は同時に声を上げた。
「ここ、まともに入会すればすごく高いジムだよ。それを部費で使えるって…」
真琴先輩はニコっと笑って目を輝かせている遙先輩の方を見つめた。
「これこそ、水泳部を作った真の目的…って思ってるでしょ?」
「…うるさい。」
遙先輩は真琴先輩に心を読まれたからか、
ちょっぴり恥ずかしそうに顔を背けた。